若者のことば2 Sさん24歳(男性) インタビュー
<経歴>基金訓練生。通信制高校を卒業してから数年動けず、家族の勧めで訓練に参加。 訓練終了後は本人の希望通り、スーパーでパン製造のパートに就く。 現在は希望長屋に住みながら、週4日朝5時から8時間就業。 パン作りに興味があるので、暇を見つけてはNSのキッズベーカリーを手伝う。
1.「ひきこもってしまったきっかけ」は何ですか? 小学校一年生の二学期からです。学校がつまらなかったっていうのと、先生に何でこんなこともできないの?って いつも叱られていて、それが嫌で。毎日のように怒られていたので。夏休みになり、そのままという感じです。
2.学校ではどうしてたの? ちょくちょく保健室とか校長室とかには行ってました。家に来てくれたりした先生は、2,3年生の先生です。
3.その後に行ってみようとしたのはなぜ? 新しい先生に、今行かないと、人生がダメになっちゃうからと言われて、行ってみようと思いました。 けれど、4年生のときにまた9ヶ月くらい通って、また行かなくなって、本格的なひきこもりになってました。
4.大きな理由って何かある? 親の離婚がありました。父親が病気だったので、暴力があったりしました。 両親が離婚したので、母親・姉と暮らすようになりました。 そういう家庭環境だったので、家にいても心が休まるときがないし、学校に行っても楽しくないし。 父親がいなくなって、はじめて安らぎができて、ゆっくりできると思い、どこにも行きたくないとか、 人に会いたくないとかっていう気持ちになって、そこからずっとほとんどひきこもりです。 中学二年のときに二ヶ月くらい行ってから以外はずっともう、ひきこもりですね。 一年に数日くらいしか外にでない日もありました。家の中では自由にしてましたが。
5.母親とはどうだった? 母親とは会話はしますけど、喧嘩も多かったし、姉とは仲が悪いんでほとんど会話してないです。
6.先生に、言われたのもあるけど、家庭環境もある? 基本的に人見知りだし、今よりももっと。人とうまくできない子供でした。ここに来て、ちょっとよくなったと思いますが。 幼稚園のときも人とあまりしゃべらなくて。いつも行きのバスで泣いていたりしてました。 幼稚園のときも行ってもつまらないし、帰ってきても毎日のように暴力があるんで。父親から母親への。 だから、学校へ行っていても母親のことが心配で不安でした。いつでも気持ちが休まらなくて。 母親もヒステリック気味というか。自分に対して暴力が向かっているので。母親が生活費を稼いでました。 お姉さんは普通に学校に行っていました。
7.どういう気持ちでいたのか? 中学校以降は、学校に行ってみて、学校という場所自体が自分には合わないかなと。 それで、社会には自分はもう出られないんじゃないかと思っていました。そういうことで苦しい思いでいました。 周りの人のように普通にしたいという思いと、できないという思いが頭にありました。 10代の終わりくらいは精神的につらくて、母親に当たったり、喧嘩をしてしまっていたり。 20代になると人生が終わった感じがして。もうだめかなと。20になったときにもう諦めちゃおうという気持ちになってました。 で心療内科などに行くようになって、障害者年金をもらっていくような感じになったんですけど、 自分はそういうおかしい人間に、父親のようになりたくない、認めたくないという気持ちでここに来た。
8.心療内科などに来たのは? 小学生くらいのときから、母親から言われたけど、行きたくないと言っていました。 発達障害みたいなことも言われましたけど。ここに来て、薬をやめてもなんともなかったので。 ここに来て、知的障害者だと自分のことを思った人もいたようですが・・・。 薬をやめることができたので、ここに来てよかったと思います。
9.ニュースタートに来るきっかけは? ひきこもりで終わりたくないと思って。一度は、諦めたつもりだったんですけど、行くところまで行って。 やっぱり、僕も誰かと結婚したり、自分のお金で欲しいものを買いたいという気持ちになったからです。 最初にテレビで合宿して、職業訓練をしてというのを見て、千葉県にもこういった所があるのを知って、来ることを決めました。 自分で決断したのですが、来る一ヶ月前は、行きたくないと悩んでました。給付金が出るのが最後だったので。 それまで、完全に外に出られなくなっていたので。 自分の体型や、見た目を人に馬鹿にされるんじゃないかとか挙動不審になってしまうので。 不安がとても大きくなってしまいます。 ニュースタートに来る手続きを母親といろいろやっていました。母親に多くのことをやってもらったと思いますが。 姉は怖かったので、姉とはそういった話はしていません。
10.来てみてどうだった? 初日は誰とも話さなかったのですが。2人の仲間に話しかけてもらえてから、楽しくやっていけるようになりました。 同期に人たちです。それから、生活に慣れるようになりました。
11.じゃあシフトに入っていて、どう感じましたか? 全然、動けないなぁって。やっぱり、同期の人とか先輩を見て いろいろ教えてもらったり、仲良くしてもらえたので助けてもらって今があるというか。
12.今、楽しい? 楽しいことは楽しいのですが。もう終わりも近いので。楽しかったのは三ヶ月までで。 その後は先のことも考えないといけなくなるので。これから、ここに残るのか、家に帰るのかなどいろいろ考えてしまいます。
13.アルバイト、就職活動に入るの? やっぱり、それをやらないと人生どうにもいかないので。ペルパー講座を最初から出ています。誘ってもらえたりしたので。
14.適正テストなどはした? パン職人だったり、ものづくり系がでてきました。接客とははでてこなかったと思いますね。
15.デイサービスではどう?仕事はきっちりやれてるよね。一緒に私もデイサービスしたときあったけど。 最初に来た二ヶ月は、センターでまったくしゃべれなかったんですが。今でもそこまで話せるわけではないんですが。
16.今はどういうスケジュールであと二ヶ月を過ごしますか? もう、具体的に応募をしたり、ハローワークをしたり。しなければいけないなと思いますね。 やっぱり、職種はパンの製造業ですね。
17.具体的にこれからはどうするの? 希望長屋に残る方向を考えて、できればいいですけど。
18.多少、振り返ってみて 今の気持ちは? とにかくここへ来て、友達もできたことはなかったし、人としゃべることもなかったし、家にいてもなにもしていなくて、 料理もつくれないし、洗濯もしないし、ここへ来て少しずつできるようになったかなと。 外にもコンビニさえ行けなかったので。仲間に支えられて、ひとりで買い物にも行けるようになれたので。 よかったことばかりです。ここに来て、はじめてのことばかりだったので。ひとりで何かするのももちろんそうですが。
19.周りの人と話してみてどうだった? 自分だけじゃないんだと。親元を離れるのも初めてだったけど。いろんな人がいるんだな。自分だけが不幸なんじゃなくてとか。
20.親を恨んだりしていない? 今は別にそういうのはないです。父親とは一ヶ月に一度くらい会ったりします。 病気を持っている父親でも父であることは変わらないから、あったほうがいいよとアドバイスを貰っていたりしてるので。
21.もし、あの時あ~してもらえたら、~していたらと思うことはありますか? もし、父親が病気じゃなかったら、どうなってたかなぁって思いますけど。
22.今の自分として、親に言いたいことはありますか? 母親だったら、面倒みてもらわなくても1人で生きていけるように自分の力で生きていけるようになって帰りたいと思います。 父親にも同じような気持ちです。病気になるのはしょうがないので恨む気持ちは父にありません。
23.現在のニート・ひきこもりにたいしてメッセージ。 自分と同じような人たちにたいして、来てみればいいんじゃないかなと。 自分もそうなんですけど、家にいて考えるだけではしょうがない。行動するしかない。
24.これからについて。 まず仕事を見つけて、それを苦しくてもやめないことです。今までの人生が逃げて、ひきこもりになっての繰り返しなので。
