携帯電話にEメール。コミュニケーションツールはどんどん便利になっています。なのに、こうしたデジタルなコミュニケーションには「何かが欠けている」と思うことはありませんか?
ニートや引きこもりと呼ばれる、はたらく意欲を失った若者の増加が問題になっています。人とのコミュニケーションを訪問して社会に復帰するよう働きかけ、成果を上げている女性達がいます。人とのコミュニケーションを絶って引きこもった若者達の心を彼女達が開く秘訣は…「アナログなコミュニケーション」。
手紙を書き、訪ねていって話す。そしてお互いの顔を見て、言葉の外に隠れている本心を探り、共感し許容します。驚くべきことに、それだけで多くの引きこもりが社会に復帰するのです。
「人の心を動かす力」とは何でしょう。その答えの一端が、この仕事から見えてきます。
取材で、実際に引きこもっている青年に会った。
布団を頭まで被り、私たちが何を言っての反応しない。引きこもり始めたのは高校生の頃からだという。それから十年余り。
彼は外へ出ていくことも、家族以外の人と会うこともなく、閉め切ったカーテンのなかで暮らしている。
帰り際玄関で靴を履いていると、私たちがいなくなったと勘違いしたのか、突然、部屋から出てきた。始めて見る、彼の顔。
驚く私と目が合ったのに、まるで「自分以外の人間は誰もいない」様子で過ぎていく。私は、愕然とした。このときの衝撃をどう表現したらいいのか、適当な言葉が見つからない。能面のような、と表現するだけでは足りない。無表情なだけでもない。
『生きた』顔ではなかったのだ。
人はなぜ、働くのか。その問いの答えは、人それぞれだ。答えなどなくたっていい。ただ、生きることをあきらめないでほしい。人とつながることを、あきらめないで欲しい。このメッセージが、引きこもりやニートの人たちだけじゃなく、ドラマを観てくれたすべての人に、今、そこにいるあなたの心に届くことを、願っている。
※このドラマは荒川龍著『レンタルお姉さん』を原案としていますがフィクションです。